人気低調で各社のファンド新規設定が中止に
尖閣諸島をめぐる日中関係の緊張が高まっている状況の影響から、予定されていた中国株式ファンドの新規設定中止が相次ぐなど、人気低迷が著しい。
10月30日に設定される予定であったSBIアセットマネジメントの「中国本土人民投資信託(毎月分配型)」も募集が低調で設定は中止となった。当月10月を振り返ると、ユナイテッド投信の「中国A株オープン」や三井住友アセットマネジメントの「中国株利回りファンド2012-10(限定追加型)」も、新規設定が予定されていたものの、現時点で中止が決定している。
さらに岡三アセットマネジメントの「中国A株オープン」も、10月1日から10月23日にかけて募集を行い、10月24日の新規設定を予定していたが、設定は延期の状態だ。
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既存ファンドも純資金流出
新規設定の中止が相次いでいるばかりでなく、既存ファンドの純資金流出も続いているという。モーニングスター社が同社のカテゴリー「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」を対象に傾向を調査したところ、2012年3月以降、純資金流出基調が確認されるとしている。
とくに柳条湖事件の発生した9月18日を含む、反日運動が激化した9月は211億円の流出で、純資金流入を記録したファンドがゼロという結果になっている。10月29日までの10月途中集計でも、158億円の純資金流出が推計で算出されており、依然強い流出傾向が続いていることがうかがえる。
モーニングスター社では、こうした既存の中国株式ファンドの純資金流出入動向も、ファンドの新規設定中止に少なからず影響を与えているものとみている。2国間の関係とともに、今後の動向が注視される。
モーニングスター 「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」カテゴリー
http://www.morningstar.co.jp/FundData/